理念
名谷病院は「高度で良質な医療」を提供し、「地域に根付いた医療」を目標に職員一同努力します。
又、生命の尊厳を希求し、誠意と思いやりの心をもって24時間何時でも患者さまを受け入れる体制で医療に取り組みます。
基本方針
名谷病院は地域の皆様の願いが生かされる医療環境を目指し、地域の方々から信頼され選ばれる病院となる為に次の事項を基本方針とします。
- 患者さま中心の医療を実践します。
- 高度で良質な医療の提供を目指します。
- 24時間何時でも患者さまを受け入れます。
- 地域の各医療機関や医師会との連携を密にします。
- 患者さまの権利、プライバシーを尊重します。
- 職員は法を守るべく努力します。
- 職員は新しい医療知識を吸収して技術の更なる研鑽に努め、教育、研修に力を注ぎます。
- 「開かれた病院」として原則としてカルテを開示し、ボランティアの方々を受け入れます。
- 職員にとって「働き甲斐のある職場作り」を推進し、運営の効率化と経営の合理化を目指します。
適切な意思決定に関する指針
1. 基本方針
意思決定支援の際には、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」などの内容をふまえ、人生の最終段階を迎える患者が、その人らしい最期を迎えられるよう、多職種から構成される医療・ケアチームで、患者とその家族等に対し適切な説明と話し合いを行い、本人の意思が尊重されるよう、医療・ケアをすすめるものとする。
2.人生の最終段階における具体的な医療・ケアチームの方針決定支援
(ア)患者本人の意思が確認できる場合
- 患者本人による意思決定を基本とし、家族等も関与しながら、医療・ケアチームが協力し、医療・ケアの方針を決定する。決定内容は都度、診療録に記録する。
- 時間の経過、医学的評価の変更、環境により、意思は変化することがあるため、患者が自らの意思をその都度示し、伝えることができるように支援する。意思決定ができなくなったときに備えて、家族等を含め繰り返し話し合いを行う。
(イ)患者本人の意思が確認できない場合
- 家族等が患者本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重し、患者にとって最善である医療・ケアの方針を医療・ケアチームとともに慎重に検討し、決定する。
- 家族等が患者本人の意思を推定できない場合には、本人とって何が最善であるかについて、家族等と医療・ケアチームにより十分に話し合い、決定する。
- 家族等がいない場合、または、家族等が決断を医療・ケアチームに委ねる場合は、患者にとって最善と思われる医療・ケアの方針を医療・ケアチームが慎重に検討し、決定する。
医療安全管理指針
平成23年10月1日
1. 安全管理に関する基本的考え方
事故のない安全な医療を提供していくためには、医療従事者ひとりひとりが危機意識を持ち、最大限の注意を払いながら日々の患者の医療・看護・介護に当たらねばならない。
しかし、「人間であれば誰でもエラーをおかす」という事実を前提にすれば、高度化・複雑化する医療環境のなかでは、医療従事者個人の努力に依存した事故防止対策には限界がある。
このため、当院では組織的な医療事故の防止について検討し、患者が安心して良質の医療を受けられるような環境を築くために、エラーを誘発しない環境や起こったエラーが事故に発展しないシステムを組織全体として整備していく。組織的な医療事故等防止対策の手段として、「リスクマネージメント」の考えを導入しリスクの把握、分析、対処、評価のプロセスが継続するようなシステムを構築する。
その為には発生したエラーについては、断じてこれを隠蔽することなく、積極的に報告できる職場環境を確立し、報告されたエラーについては、常にこれを教材とし、分析し、現場ヘフィードバックし、再発の防止とエラーが医療事故につながらない体制を整える。
2. 安全管理のための委員会、その他の組織に関する基本事項
当院の基本的事項を審議する運営委員会の議を経た「医療法人社団董会名谷病院医療安全管理委員会規程」に則り、医療に係る安全管理のための委員会その他の組織として、「医療安全管理委員会」を設置し、各部署に委員を配置する。「医療安全管理委員会」は、病院長を委員長とし、当院における医療事故防止し、医療事故が発生した場合の適切な対策を協議するとともに、医療の質の向上を図るために原則として、毎月1回定期的に開催する。
副委員長が統括し、インシデント事例を多角的に分析するとともに、緊急な対応、再発防止及びその他の対策に関して、専門的に調査、審議、報告し、医療事故の防止・安全の確保について中心的な役割を担うものとする。
3. 安全管理のための職員研修に関する基本方針
医療安全管理対策について、全ての医療従事者の理解を深めるため、院内研修を実施する等、普段からの院内啓発に努めるものとし、関連する職員に安全管理に関する研修を年2回以上開催する。
4. 医療の安全確保を目的とした改善のための方策に関する基本方針
医療事故等に関する情報は、早期に把握し、対策を講ずることが重要である。したがって、医療事故が発生した場合は、事故報告を迅速に行うものであり把握したリスクに対し、関連の委員会において、原因の分析・改善・恒久的な対策の策定及び評価について審議するものとする。
リスクの分析・改善に際して、誰でも事故を起こす可能性があることを前提に個人ではなく、組織全体の問題として捉え、再発防止の視点で事故等の原因や状況の分析及び改善を行うものとする。医療安全管理委員会は、これらの安全確保の改善実践に向けて、さまざまな形で全面的に関与し、積極的に取り組む。
5. 医療事故発生時の対応に関する基本方針
1)救命措置の最優先
医療側の過失によるか否かを問わず、患者に望ましくない事象が生じた場合には、可能な限り、先ずは当院内の総力を集結し、患者の救命と被害の拡大防止に全力を尽くす。
また、当院内のみでの対応が不可能と判断された場合には、遅延無く他の医療機関の応援を求め、必要なあらゆる情報・資材・人材を提供する。
2)報告
医療事故等が発生した場合、報告を受けた各所属長は、副委員長に報告し、重大な事故については病院長へ報告する。時間外においては、緊急時の「緊急連絡網」によって報告を行う。
3)対応
病院長は、緊急対策を講ずるとともに、関連する委員会を招集し再発防止及び対応方針を検討する。主治医等は、患者又は家族等に事故についての説明を行う。
6. 医療従事者と患者との間の情報の共有に関する基本方針
本指針の内容を含め、職員は患者との情報の共有に努めるとともに、患者及びその家族等からの閲覧の求めがあった場合には、これに応じるものとする。
また、本指針についての照会には医療安全推進者が対応する。合わせて当院ホームページに本指針を掲載する。
7. 患者からの相談への対応に関する基本方針
病状や治療方針などに関する患者からの相談に対しては、担当者を決め、誠実に対応し、担当者は必要に応じ主治医、担当看護師等へ内容を報告する。
8. その他医療安全の推進の為に必要な基本方針
本指針については年に1回見直しをする事とし、改正を伴う場合は医療安全管理委員会の決定により行う。
院内感染対策指針
令和元年6月1日
第1条 院内感染対策に関する基本的な考え方
院内感染の防止に留意し、感染等発生の際にはその原因となる速やかに特定、制圧、終息を図ることは、医療提供施設にとって重要である。院内感染防止対策を全従業員が把握し、指針に則った医療ができるよう、本指針を作成するものである。
第2条 用語の定義
1)院内感染とは、病院環境下で感染した全ての感染症を院内感染と言い、病院内という環境で感染した感染症は、病院外で発症しても院内感染という。逆に、病院内で発症しても、病院外(市井)で感染した感染症は市井感染という。
2)院内感染の対象者は、入院患者、外来患者を問わず、見舞人、訪問者、医師、看護師、医療従事者、その他職員、さらには院外関連企業の職員等を含む。
第3条 院内感染対策の為の組織及び体制に関する基本的事項
1)院長を議長とし、各専門職代表を構成員として組織する院内感染予防対策委員会(以下、対策委員会)を設け、毎月1回定期的に会議を行い、院内感染対策を行う。 緊急時は、臨時会議を開催する。
2)対策委員会は、次の内容の協議・推進を行う。
- 院内感染対策指針及びマニュアルの策定・見直し
- 院内感染対策に関する資料の収集と職員への周知
- 院内感染が発生した場合は、速やかに発生の原因を究明し、改善策を立案し、実施するために全職員への周知徹底を図る。
- 患者の疑問、不安等の日常的な把握に関する事項
3)委員は、職種・職位等にかかわらず、院内感染の防止に関して自由に発言できる。
4)委員はその職種に関して知りえた事項のうち、一般的な院内感染対策以外のものは委員会及び院長の許可なく、院外の第三者に公開してはならない。
5)下部組織として、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師を構成員として組織する感染制御チーム(以下、ICT)を設け、院内感染防止対策を推進する。
6)ICTは、次の内容の協議・推進を行う。
- 毎週1回院内を巡回し、院内感染事例の把握及び院内感染防止対策の実施状況の把握・指導
- 院内感染事例及び院内感染の発生率に関するサーベイランス等、情報の分析及び評価
- 抗菌薬の適正使用の推進
- 院内感染対策を目的とした職員研修
- 院内感染に関するマニュアルの作成及びマニュアルの遵守状況の確認
- 地域の医療機関と協力し、年4回開催される地域の感染防止対策に関わるカンファレンスへの参加
7)下記に掲げる者を診断したときは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」により、1.は直ちに、2.は7日以内にその者の年齢、性別その他厚生省令で定める事項を、保健所長を通じて都道府県知事へ届け出る。
- 一類感染症の患者、二類感染症、三類感染症又は四類感染症の患者又は無症状病原体保有者及び新感染者にかかっていると疑われる者
- 厚生労働省令で定める五類感染症の患者(厚生労働省令で定める五類感染症の無症状病原体保有者を含む)
第4条 職員研修
1)院内感染防止対策の基本的考え方及び具体的策について職員に周知徹底を図ることを目的に実施する。
2)職員研修は、年2回開催する。また、必要に応じて随時開催する。
3)研修の開催結果及び参加実績を記録・保存する。
第5条 院内感染発生時の対応と発生状況の報告
1)院内感染発生時は、その状況及び患者への対応等を院長に報告する。対策委員会を開催し、速やかに発生の原因を究明し、改善策を立案、実施するために全職員への周知徹底を図る。
2)アウトブレイクあるいは異常発生は、迅速に特定し、対応する。
3)入職時の健康診断に麻疹・風疹・水痘・流行性耳下腺炎の4項目を追加する。
平成31年度より、全職員に対して定期健診時に麻疹・風疹の抗体値が低値または陰性の場合は、予防接種を推奨する。尚、いずれの時も抗体値が陰性化した場合は期健診から除外する。
4)令和元年6月より、MRSAの入院時ルーチン検査を廃止する。但し、主治医の判断により、この限りではない。
第6条 院内感染対策マニュアル
別紙、院内感染防止対策マニュアルに沿って、手洗いの徹底など感染対策に常に努める。
第7条 患者への情報提供と説明
1)本指針は、患者又は家族が閲覧できるようにする。
2)本指針は、当院ホームページに掲載する。
3)疾病の説明とともに、感染防止の基本についても説明して、理解を得た上で、協力を求める。
第8条 その他の医療機関内における院内感染防止対策の推進
1)感染抑制に関する質問は、
日本感染症学会施設内感染対策相談窓口(厚生労働省委託事業)
FAX:03–3812–6180 で質問を行い、適切な助言を得る。
また、昨年の質問と回答が同学会ホームページに掲載されているので、活用する。
URL:http://www.kansensho.or.jp/sisetunai/
2)その他、医療機関内における院内感染対策を推進する。
3)本指針は年1回見直しをする事とし、改正を伴う場合は対策委員会の決定により行う。
看護部の理念と目標
看護部の理念
私たちは「地域に根ざした病院として、信頼され、暖かく且つ思いやりのある病院」を目指し、治療や検査についても分かりやすく説明をして、患者さま方に納得し協力していただけるように努めます。
又、私たちは看護の専門家として常に知識や技術の向上に努め、広い視野と真心をもって根拠のある安全・安楽な看護が出来るように努力します。
看護部の目標
- 思いやりのある看護を提供します。
- 笑顔で優しく接します。
- 気持ちにゆとりを持って看護します。
- 病院の他部門と協力しつつ、患者さまの安全を守ります。
- 実施した看護には責任をもちます。
- 患者さまの安全を確保するために、事故防止に努めます。
- 自己の健康管理にも努めます。
- 看護師各員に課せられた役割を確実に遂行できるように努めます。
(以上 文責 看護部長・中山 秀美)
患者様の権利の尊重
医療の中心は患者さま方にある事を認識し、患者さま方と医療関係者との間の信頼関係を重視し、患者さま方の権利と安全について次のごとく宣言します。
- 基本的人権
患者さまには人権・人格を尊重される権利があります。 - 機会均等
誰でも適切で良質な医療を公平に受ける権利があります。 - 選択
患者さま方には病院や医師を選択する権利があります。 - 知る権利
病気や治療内容について十分納得のいく説明を受け、診療情報やカルテの開示を受ける権利があります。 - 自己決定権
納得できるまで説明を受けた上で、自分の意思で医療行為に同意、選択又は拒否する権利があります。 - プライバシーが守られる権利
診療に関する個人情報や自分のプライバシーは厳正に保護される権利があります。
身体拘束最小化のための指針
1.基本方針
医療法人社団菫会 名谷病院は、基本理念と基本方針に基づき、緊急やむを得ない場合を除き身体拘束を行いません。
2.緊急やむを得ず身体拘束を行う場合
以下の3つの要件を全て満たしていること
【切迫性】
患者本人またはほかの患者の生命・身体が危険にさらされる可能性が著しく高い
【非代替性】
身体拘束、その他の行動制限を行う以外に代替する看護方法がない
【一時性】
身体拘束、その他の行動制限が一時的なものである
3.身体拘束適応要件の確認と承認
身体拘束の必要性がある場合、医師は、身体拘束の必要性、方法、身体拘束による不利益を患者家族等へ説明し、同意を得たうえで身体拘束を指示する。
緊急入院等で身体拘束を行う可能性が高い場合は事前に同意を得ることは可能である。
身体拘束をしない状況が、患者にとって不利益となる場合は、複数の医療者で検討する。
4.身体拘束適正化及び早期解除に向けた取り組み
身体拘束の評価は複数の医療者で毎日行い、計画に沿った記録を行い患者の状態や患者の反応を共有する。身体拘束最小化に向けたカンファレンスを週1回行い身体拘束解除に向けた検討を行う。身体拘束最小化チームにおいては、身体拘束が適切な手順、判断、方法に基づいて施行され、患者の人権が侵害されていないかを回診で確認する。
5.参考資料
身体拘束ゼロへの手引き(高齢者ケアに関わるすべての人に)厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」2001年3月
医療法人社団菫会 名谷病院
病院長
2024年6月13日制定